※絵コンテ、イメージボード、背景画は山本二三氏によるもので、
キャラクター・コンセプト・デザインはおおた慶文氏によるものです。
■不思議な光。ウパシとレイラの出会い。
2011年3月11日、岩手県陸前高田市。
高田松原を囲む広田湾では漁師のじっちゃんとその孫ウパシが乗った小型漁船が
轟音に荒れ狂う津波に翻弄されていた。
船上で為す術もなく、じっちゃんはウパシを強く抱きしめると、死を覚悟した。
その瞬間、じっちゃんの目に一本の松が飛び込んできた。
松の枝が一箇所だけ強く光り輝いている。
「松の神様!!」
そう叫んだじっちゃんは最後の望みを賭けて松の枝をめがけてロープを投げつけた。
ウパシ
■目覚めたレイラとウパシ。惨状を目の当たりにする。
松の枝の上でウパシは目覚める。
隣には一本松の精霊の少女、レイラ。
二人の目の前には破壊され尽くした松原と陸前高田の街が広がっていた。
一本松の精霊の少女
レイラ
■これまでの平和な日常。そして大津波が。
3月11日、大地震の直前まで陸前高田市は豊かな自然を擁する、のどかな港町だった。
たくさんの家族が平和な日常を送り、高田松原もまた憩いの場として、
散歩をしたり子どもが走り回ったりしていた。
「広田湾」
「陸前高田商店街」
そして午後2時46分、太平洋沖の海底で巨大地震が発生。山は崩れ、河川をせき止めた。
大地は裂け、その割れ目から泥水は噴水のように噴き出した。
「ゴガァァァー!!」
やがて、海上高くせり上がったモンスターのような黒い巨大津波が轟音をあげて広田湾へ突撃してくる。
■レイラの絶望と苦悩。ウパシの献身。
「いやです。たったひとりで生きてゆくなんて、そんなの、絶対いやです・・・。死にたい。どうか死なせてください。」
家族を失い、絶望するレイラは死を望み、いっそあの時自分も一緒に死んでいればとすら考える。
レイラはウパシに懇願する。
「あなたにおねがいがあるの。どうか、わたしの体を切り倒してほしいの・・」
ウパシは「死んじゃいけない」「生きるんだ!」と献身的にレイラを守ろうとする。
■レイラの夢に家族が現れる。そして明かされるあの日の真実。
そしてレイラはある晩、家族たちの夢を見た。
そしてレイラだけが知らなかったあの日の真実が明らかにされる・・・。
原作「希望の木」についてはこちら。【「希望の木」原作・脚本・音楽】